2013年2月26日火曜日

[CEDEC 2010]作りながら考える,走りながら変えていく。大ヒットソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」の

。ドキドキする感覚をゲームの世界に持っていくことが,企画の根底ともいえる要素となった。  加えて,「盗む?盗まれる」というのは,つまり参加プレイヤーの間でアイテムが動くということでもある。プレイヤー間をアイテムが動けば,プレイヤー同士の関係が生まれやすく,これがソーシャル性と相性がよいのではないかという考察がなされた。  また,ターゲットを非ゲーマーと定めたことで,ゲームを複雑にする要素を徹底して排除。ゲーマーの視点で考えれば,一つのゲームに独立したゲーム要素がたくさん詰め込まれていれば,それだけ飽きのこない多彩なゲーム体験ができる,という図式で理解しがちだが,「独立した多数の面白さ」は,非ゲーマーにとっては迷いの原因になってしまう。このゲームで何が一番大切なのか? 迷ったら「盗む?盗まれる」に戻ることで,複雑化を避けていったと大塚氏は語った。  ターゲットとして女性を取り込むというのも,この段階でデザインに組み込まれていく。ゲームはどうしても男性が客層のメインになりがちだが,女性を取り込めば単純にパイが2倍になるし,雰囲気も変わる,rmt。  そこで大塚氏は,世界観を工夫することにした。「盗む」と言うと,ドラゴンクエスト10 RMT,泥棒?こそ泥といったイメージに陥りがち(海外のソーシャルゲームでは,プレイヤーが冷酷で非道なマフィアになるゲームが,大きなシェアを占めている)だが,そこで「善良な市民には害をなさない?人を殺さない」スタイリッシュなキャラクターを設定したのである。  このスタイリッシュさを重視するなかで,グラフィックス関係のデザイナーが注意深く選定されていった。実際に会ったのは数人だったそうだが,「絵や名前を見ただけであれば3桁にのぼる」と大塚氏は語る。 Webサービスとしてのソーシャルゲーム  「ゲームデザイン」を考えるならば,上で説明したようなことは誰もが考えることだろう。だがここで大塚氏が「ゲームに触ってこなかった」こと,また,それまでの業務としてWebデザインを行ってきたことが大きなプラスとして働いていく。  大塚氏は,「すべてのアクションに明確な理由を持たせるように,各機能の関係性を整理する」ことを強く求めた。なぜなら,あらゆる機能は,「それがあるのがゲームとして当然だから」「このジャンルの作品には数多く存在するから」といった曖昧な理由ではなく,そのゲームのなかで機能する存在意義を持っていなくてはならないと考えたからだ。  例えば,仲間になったらコメントを残せるという機能があるとして,「ソーシャルゲームなんだから,プレイヤーはこの機能を勝手に使うだろう」というだけでは不十分だ
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