■[テクモ]開発に力点を置き、事業提携で成功
テクモからはLieVo事業を統括する佐々木憲太郎氏が登壇しました
後半はDOA ONLINE、モンスターファームオンライン、まもなく日本市場に登場する競馬ゲーム『ギャロップレーサー オンライン』の映像を紹介しました
しかし、会員にかかるコストを比較してみましょう
その結実として、いよいよ自社の代表的なタイトル「デッド・オア・アライブ」のオンライン化に着手
低顧客単価と言いますが、料金は定額のため、実質的には定額な定額料金で運営されていることになります
マーケットプレイスの先進性は、ユーザーが作成したデータを流通させるという意味で、現在のセカンドライフなどバーチャルワールドブームに通じるものがあります
マーケットプレイスではゲームのデモ(体験版)、Xboxコンソールのデスクトップテーマやアイコン、ゲームの映像、ダウンロードコンテンツを利用できます
これでは5000万円も少なくなってしまいます
アイドルの衣装をダウンロード販売したところ、日本国内専用のタイトルにもかかわらず、コンテンツダウンロード数で世界第三位となりました
しかし、こうした海外市場で勝つためには様々な課題があります
オンラインゲームに限らず、ゲームのグローバル展開には"開発費の回収手段(リスクテイク)"、海外からのランニングロイヤリティによる収益モデルという意味が大きくなります
グローバル化の手始めとして、2007年には韓国でLieVoサービスをスタートしました
佐々木氏は「インターネットの普及と共に社会情勢が変化しており、デジタルエンターテイメントの選択肢が広がっている
ホーム&エンターテイメント事業本部
Xboxマーケティング本部長
坂口城治氏
1万人の高単価ユーザーが居たとしても、20万人の無料ユーザーが存在した場合は利益率が下がってしまいます
例えば各国のパブリッシャーとの契約、ソースコードを自社で維持するためのローカライズスタッフ、現地対応スタッフの育成、障害対応、課金方式の変更対応、各国の文化、禁忌に対応するためのスタッフ、著作権問題などです
一方、アイテム課金で月あたり1万円ぶんを購入してくれる会員が1万人いた場合は月当たり1億円の売上になります
運営事業提携会社は中国オンラインゲーム最大手の盛大です
第二に、テクモの良さである開発力を活かすため、会社として開発に力点を置きたい」と説明しました
その中で現在のテクモは「家庭用タイトルの進化系、PCオンラインゲームの開発でタイトルを強化していき、さらなるステップアップを目指す」意気込みです
したがって、アイテム課金型ゲームでは、無料ユーザーがアイテム課金ユーザーになるための仕掛けが必要になります
また「最高水準の3D格闘ゲームに新規要素を加え、ユーザによるゲーム大会も行えるようにする」とのことです
デモにはプロモーション効果があり、ダウンロード回数を正確にカウントすることでリサーチも可能です
プレイヤーの三分の一がオークションの経験を持ち、取引されたゲーム内通貨は2兆を超えました
これは同社のオンラインゲームの開発、運営ノウハウと、グループ会社のゲームアーツなどが持つコンシューマゲームの開発実績を元にした取り組みです
「オンラインゲームは基本無料、永久無料、ずーっと無料という言葉が目に付きますが、それでは会社はやっていけないわけで」と、アイテム課金のトレンドについて分析します
これらはコストにも跳ね返りますから、こうした問題を解決しても収益を得られるか、相手国のパブリッシャーと有利な条件ができるかにかかってきます
このダウンロードコンテンツの先進性を見据えたゲームが2007年5月に発売された『フォルツァ モータースポーツ2』です
これに対して2007年は「オンラインカジュアルゲーム」、「アイテム課金」、「小規模で高顧客単価」という傾向にあります
日韓累計の会員数は550万人にものぼり、安定的な運営により、日本でまだ親しまれていない新たなる分野を開拓する気運も産まれています
米国のテレビ局や映画配給会社からの映像を販売するもので、総売上は1億2500万ドル、日本円に換算して143億円にものぼります
オンラインゲームはプレイするだけではなく、上手なプレイヤーの戦い方を見るという意味で映像コンテンツにもなることを証明したことになります
次に森下氏はオンラインゲームのグローバル展開について触れました
カプコンの『デッドライジング』の体験版のダウンロードは1ヵ月で63万件を記録
今年6月からはWindows VISTAのGames for Windows - Liveとの連携も始まった」と好材料を披露し、世界でのコンシューマオンライン会員一位という実績と日本市場の巻き返しに自信を見せました
コミュニケーションという柱においては、チャットが馴染まないコンシューマ機について、ヘッドセットによるボイスチャット、ライブカメラによるビデオチャットを提供したことが強みとなっています
基本無料といっても、実はお金を払わなければ楽しめないという設計にしなくてはいけません
アバターを表示するテーブルゲームが人気で、アバターの着せ替え服を販売し、アイテムを購入するほど幸せになれるという仕組みに変わってきました
それが700万人を惹き付けるチカラになりました
テクモ初のオンラインゲームポータルであり、既に日本でも強力なオンラインゲームポータルサイトが稼働している中での事業参入でした
森下氏は、今年以降もアイテム課金の流れは進むだろうと予測しています
Wii、Xbox360、PS3ともに世界のユーザーの半数以上がインターネットに接続しているという調査結果は、市場の準備が整っていることを示しています
もちろんXboxコントローラ付きのキーボードも提供し、PCオンラインゲームユーザーのテキストチャット文化も取り入れています
『DOA ONLINE』を投入します
ギャロップレーサーオンラインはサイアーライン(種牡馬の系図)をゲーム本体とは別のWebサーバに持たせて、世界のユーザーが繁殖に参加できる仕組みを作るなど新しい試みにチャレンジしています
オンラインプレイ、コミュニケーション、マーケットプレイス、PCとの連携の4つの柱があります
月に何時間遊んでも定額ですから、たしかにゲームに時間を費やすプレーヤーほど低単価と言えそうです
LieVoはテクモとSeedCの業務提携によって開設されたオンラインゲームポータルサイトです
2002年のオンラインゲームは「MMORPG」、「定額課金」、「大規模ユーザー&低顧客単価」が主流でした
佐々木氏は「プロジェクトEDEN構想のもと、全世界にテクモという存在感を示したい」と結びました
どちらも今日の発表内容を反映したタイトルであることは間違いなく、今後の展開に注目が集まります
LieVo事業統括 佐々木憲太郎氏
■[ガンホー・オンライン・エンターテイメント]アイテム課金で成功するオンラインゲームとは……
ガンホー・オンライン・エンターテイメントからは代表取締役社長の森下一喜氏が登壇しました
オンラインゲームの現状分析から現在の動向、そして将来の可能性まで、幅広い示唆を与えるセッションでした
日本のXbox360ユーザーに活気があることと、新しいビジネスモデルの予感を印象付けます
ガンホーでは現在、"コンシューマゲームらしいオンラインゲーム"の開発に注力しています
そこで海外市場に目を向けると、韓国や中国では来年までに飽和状態になると予測されますが、北米や東南アジアは成長期のホットな市場です
佐々木氏はテクモ社のオンラインゲーム参入について「当初から運営事業会社と提携し、テクモは開発に力点を置くつもりだった」と当時を振り返りました
ダウンロードコンテンツの成功例はバンダイナムコゲームズの『アイドルマスター』です
10万人に親しんでもらうゲームを作るより、1万人の熱心なユーザーに親しまれるゲームを作る方が利益率が高くなるわけです
また、南米、ロシア、欧州では導入期であり、今後の成長が期待できます
また、会社経営的な視点では、オンラインゲーム開発の投資コストを分散し、短期間で世界的にタイトルを展開したかったことも理由に挙げました
リレートークにはオンラインゲームポータル『LieVo』を運営するテクモ、日本のオンラインMMORPGの老舗ガンホー・オンライン・エンターテイメント、Xboxでコンシューマ向けオンラインゲームに注力するマイクロソフトからスピーチが行われました
「5年目を迎えるXbox Liveの世界会員数は700万人、来年夏までには1000万人を超える
ゲームのデモ(体験版)の例として、坂口氏はふたつのタイトルを挙げました
同じくカプコンの『ロストプラネット』は体験版が100万ダウンロードを記録したため、初回出荷数を100万本に設定し、品切れによる機会損失を回避しました
製品版は発売から4ヵ月で100万本を達成しました
テクモが次に手がけた事業がLieVoです
また、LieVo独自のコンテンツを開発するチーム「LieVo Studio」を設置
アイテム課金が成功するためには、ゲームの企画時点から徹底して緻密に設計されたアイテム課金システムが必要です
この傾向はMMORPGにも伝播し、いまやアイテム課金が当たり前になっています
こうして誕生するテクモ製オンラインゲームの第一弾が2006年に発表した『モンスターファーム オンライン』です
最後に大幅なリテイクが行われた新作『北斗の拳オンライン』と、『グランディア・ゼロ』の映像を紹介し、森下氏の講演は終わりました
LieVoでテクモが目指した方針は、ゲームポータルとゲームのグローバル化、そしてゲームポータルをオープン化し、様々なゲーム開発会社が参入できるポータルを作ることでした
定額制の場合、仮に料金が1500円で、会員数が10万人だとすると毎月の売上は1億5000万円です
ちなみにオンラインプレイの累計プレイ時間は29億時間にもなります
家庭用ゲーム開発者を中心としており、家庭用ゲームのオンラインゲーム参入を推進していきます
東京ゲームショウ基調講演に続く『オンラインゲームセッション』は、新たなフェーズに入ったオンラインゲームビジネスをテーマにリレートークとパネルディスカッションを行いました
「中国には日本製ゲームの熱烈なファンが多く、韓国と中国がオンラインゲーム最大のマーケットになる」と佐々木氏は説明しました
つまり、ゲームで優勝を重ねたり、美しいペイントの"価値あるクルマ"を他のユーザーがコレクションできる、というわけです
それが日本ではまだ普及できていないFPSの『WarRock』でした
このゲームのオークションハウスではゲームに収録された310車種をベースに何万種類ものカスタマイズカーが誕生し、700万件以上がオークションに出品されています
その仕組みについて、森下氏は簡単な計算式と図で説明しました
ペイント機能を使ってクルマの外観をペイントし、写真を撮ってブログに貼るなど、ゲームプレイの外側の楽しみがあります
また、カスタマイズしたクルマをゲーム内通貨でバイバイするオークション機能もあります
この提携戦略について佐々木氏は、「第一の理由はオンラインゲームの運営ノウハウをイチから学ぶようではタイムロスが発生する
なぜなら、基本プレイ無料、アイテム課金のメリットは、熱心なユーザーの単価を引き上げるだけではなく、ゲーム全体の収益構造を改善するからです
つまり、日本市場だけを見れば開発費は抑制しなくてはいけませんが、海外市場を見据えれば開発費増大のリスクを軽減でき、さらに国内市場よりも大きな利益を得られることになります
続いて森下氏はガンホーの取り組みを紹介しましたが、今までの話を踏まえた上で聞くと、ガンホーの戦略が課金やグローバル展開の良い手本になることが解りました
事業パートナーはゲームポッド社で、いよいよこの秋からサービスが開始されます
モデレータは日経ビジネスオンライン副編集長の渡辺和博氏です
DOA ONLINEの最初のサービス地域は中国になりました
そこまで成長した背景について、坂口氏は「ユーザーの希望する相手とマッチメイクする機能や協力プレイによる体験の共有、そして、当初は予期していなかった"リプレイ観戦"という新しい楽しみ方を提供できたこと」と説明しました
テクモは事業提携により、オンラインゲームのノウハウを急速に蓄えました
「毎年呼ばれていますが、今回は自社の宣伝ばかりではなく新しい趣向で」と照れながら、アイテム課金時代のオンラインゲームと、オンラインゲームのグローバル展開について発表しました
Xbox Liveのサービスはゲームに留まりません
代表取締役社長 森下一喜氏
■[マイクロソフト]PCとの連携、ユーザーコンテンツの取引で先進
マイクロソフトからはXboxマーケティング本部長の坂口城治氏が登壇しました
しかし、ここで忘れてはいけないのは、アイテム課金ゲームに参加する無料ユーザーの存在です
PC、家庭用ゲーム、モバイルなど各分野が緩やかに統合していくのではないか」という時代の流れを予測しています
そこにはペイントの題材の源著作権、コピーなど新たな問題もありますが、新たなビジネスチャンスを予見させるものでした
また、エンターテイメントコンテンツとしてゲーム新作発表会の映像配信、北米で始まったビデオマーケットの例を挙げました
「日本ではいまひとつ」というイメージがつきまとうXboxですが、実態は世界展開の伸長に呼応して日本でも根強いファンを増やしているようです
また、LieVoにゲームを提供するパートナー会社は8社となっています
オンラインゲームの楽しさは他のプレイヤーとのコミュニケーションであり、ゲームの対戦以外でもオンラインで友達と交流する仕組みを作りました
10万人と1万人では、明らかに1万人のほうが低コストです
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